「2010がんのシリーズセミナー」第3回『病気にならない免疫のしくみ』が7月16日有楽町LA STELLAにて行われました。

「免疫革命」で免疫学者として世界的に注目を集めている、安保徹先生をお招きしたトークセッションです。自律神経と免疫のしくみから、体温と免疫力の関係、免疫力アップの方法、温める免疫・冷やす免疫とミトコンドリアの関係についてもお話しいただきました。

医学が発達しても病で苦しんでいる人は減少していません。なぜ現代医療では人を救えないのか。ガンの克服のしかたから、健康な体づくりの指導まで言及していただけました。

■免疫革命、図解雑学病気にならない免疫のしくみ

菅原:
約10年ほど前になると思いますが、「免疫革命」という本が発売されて、私もそれを繰り返し読んでとてもびっくりしたんですけど、何冊くらい売れたんでしたっけ?
安保:
30万冊くらいですね。私は、ずいぶん若い時から免疫系が自律神経の支配を受けて変動するのに気づいていたんで、日常生活の謎解きに使えたという感じです。それを一書にして一般向けに書いてみようと「免疫革命」を出したんですね。
菅原:
本当に『免疫革命』は、目から鱗のような感じだったんです。それまで、私は疫学をやっていましたから、すごくたくさんの疫学調査は見てきたんですが、「こげを食べちゃいけない」とか、「どこどこの地方ではこういうガンが多いです」とか、「イギリスでは19世紀、煙突掃除の人がコールタールの影響で皮膚ガンが多いです」とか、バラバラした情報ばっかりで、安保先生が言われるまでは、日常生活に直結した「自律神経に注目せよ!」みたいなものはありませんでした。

今日は、その復習として免疫理論、今日の一冊は『図解雑学病気にならない免疫のしくみ』という本をご紹介したいと思ってるんですね。この本は科学的な本なんです。科学者でも書けない本なんですよ。というのは、非常に難しいことを見開き1ページで処理していまして、普通の人がわかるように完結しているんですね。

■免疫革命、図解雑学病気にならない免疫のしくみ

菅原:
自律神経と免疫のしくみから、体温と免疫力の関係、免疫力アップの方法、温める免疫・冷やす免疫とミトコンドリアの関係。その中の自律神経の説明のところで、「リンパ球と顆粒球のバランスに注目せよ」というお話をされてましたよね。
安保:
私たちは日中、活動して生きているわけですけど、活動ばっかりだと疲れてしまいますから、夜は眠るという形でバランスをとっているんですね。そのバランスは私たちの防御系、いわゆる白血球の分布にも影響していたというのが日常生活の謎解きに使えたんですね。

私たちが興奮した時はアドレナリンが出るとか、ノルアドレナリンが出るという形で興奮の代謝が作られるんですけど、一番わかりやすいのは脈が増えたり、血圧が上がることですよね。それと同時に細菌を処理する顆粒球の数が増える。逆に眠っている間は抗体を作るリンパ球の数が増えるという仕組みがあるんですね。
菅原:
昼間は活動していて、しゃべったり、仕事をしたり、急いで電車に乗ったり、会議で主張しようとするとアドレナリンが出る。そういうことは悪いわけではないけど、顆粒球を刺激しやすい。
安保:
白血球が自律神経の支配を受けた本当の目的はいかに効率よく私たちの体を守ろうかということからはじまっていると思うんですね。普通の動物が興奮するとか、戦うとかいう流れは、手足が傷ついて細菌が侵入してくるんで、細菌侵入に備えて顆粒球を増やしておいて、化膿性の炎症を起こして、すばやく治してしまおうという目的があったと思うんですね。リンパ球の方は消化管で進化してきたという歴史があるので、消化管はリラックスの副交感神経支配で蠕動運動とか消化液の分泌を送るんで、共に働こうということで副交感神経支配になったと思うんですね。
菅原:
そういうことを聞くとライオンとか野生の動物が、発情期になると戦いあって傷だらけになりますよね。そうしながらも傷をペロペロなめながら眠っちゃって。傷ついて膿んだりしてるんだけど、寝て、寝て、寝て、それで自分で治してしまう。すると、元気になるとまた発情してワァーッと出かけるみたいなね。

自分で自分を守る力ってよくわかってるらしくて、傷がついてもちょっとは膿むんだけど、最低限で治しちゃいますよね。寝てる間はリンパ球ですよね。
安保:
活動して細菌が侵入してきた時は顆粒球が処理してくれてる。休んでウィルスが侵入してきたのは、夜中にリンパ球が抗体で処理する。だいたい、普通の人でも風は夜治るという実感があると思うんですね。ぐっすり休んだら朝には治ってたというようなしくみが本来あるんですけど、具体的に自律神経支配というところはなかなか気がつかなかったと思いますね。


資料として、「図解雑学病気にならない免疫のしくみ」の1ページが配られ、
非常にわかりやすい解説がされました。

■過去の欲求不満から医療の恩恵をあてにしすぎてる

菅原:
昔は、おばあちゃんの時代というか、風邪引いたら「卵酒でもおかゆでもうどんでも食べて、あなた早く寝なさい!」みたいなね。それで、「寝れば治るのよ!」と言って夜中にちょこちょこ着ては着替えさせてくれて、シーツ取り替えて、朝になったら平熱になっていると。

今の若いお母さんだと、「熱上がった!大変だ!解熱剤を与えよう!」とかね。夜中に子供連れて病院行かなくてもいいと思うんだけど、病院へ夜中突撃していくのが常識みたいなのに代わりつつありますね。
安保:
これはある意味反動だと思いますね。戦後まもなくの昭和20年代とか30年代は医療の恩恵を受けるというのは大変でしたから。逆に今は医療の恩恵をあてにしすぎてね、とうとう医師不足になったという感じで。過去の欲求不満を満たすようになった感じじゃないですか。

■過去の欲求不満から医療の恩恵をあてにしすぎてる

菅原:
先生の本の中にもがんであっても、他の病気でもリンパ球と顆粒球のバランスをしっかり見ることでがんであってもなくても、自分の健康状態のどの水準にいるのかがよくわかるから、たとえ、抗ガン剤やるにしてもリンパ球がこれ以下だったら絶対だめみたいな線があるんだよという話が出てきたんですが。
安保:
顆粒球とリンパ球の分類に入る前に白血球総数自体が私たちの生活とつながってるんですね。
菅原:
白血球というのはつまり、リンパ球と顆粒球の合計の数字ですか。
安保:
はい。だいたい、健康な人は1マイクロリットルあたりの白血球数は5000くらいなんですね。男性では6000の人もいたり、7000の人もいたり。女性では、4000とか3000とかすごく少ない人もいてね、これが一日の使用するエネルギーに正比例していくんですね。
菅原:
個人差もあると。生まれつき、総数が少ない人はその中で暮らしていると。体質改善に目覚めて、ある日突然、白血球数が3000の女性がジョギングとかはじめて、一年くらいたってフルマラソンとかやるようになると、徐々に上がっていくということもあるわけですよね。
安保:
はい。結局、私たちは活発に活動すると守る細胞が必要になるんで増やすという感じですね。おしとやかに生きると守る細胞は少なくて済むわけですから、そういう調節が働いてね、忙しくしている人が白血球総数が多くなって落ち着いた生き方をしている人は少なくなるっていう法則があるんですね。

たとえば、ある女性が「白血球数が3000とか2800とかしかないから、病気になるんじゃないか・・・」と心配して電話が来るんですけど、「体重いくらですか?」というと「40kg」とかね。そのくらいやせていると一日に使用するエネルギーも少ないので守る細胞もそのくらいでちょうどよくなっているんですね。
菅原:
つまり、血液総量と比例してるから白血球はちょっと薄め。タンパクも少なくて、ちょっといろんなことをすると、すぐに疲れるけど別に病気じゃない。そういうタイプの人は白血球数が2800であっても一生涯、病気にならずに暮らすことだってできるわけですね。
安保:
そうですね。

質疑応答コーナー

当日ご来場くださった皆様からの質問に安保先生が答えてくださいました。
Q1:
泣くのと笑うのとではどちらが免疫力が上がるのでしょうか?
A:
笑うのも泣くのも副交感反射ですね。副交感は分泌現象とつながっているので、泣くと涙が出てくるし、うんと笑った時も涙が出てくるんですね。どちらもつらいものを吐き出す。笑いは実は吐き出す反応から生まれたといわれているんですね。どちらも同じくらい身を守ってるんですね。
Q2:
肺ガンと糖尿病です。三大療法はしておりませんが、これからどういうふうに生活を気をつければよいでしょうか。
A:
肺ガンも糖尿病も共通原因は過酷な生き方とか、あるいはまじめすぎる性格とか、思い当たる原因にたどり着けるはずですから、その原因をとりのぞいて体をあたためる、深呼吸をする、食事を工夫して便の正常、腐敗のない便通にするとどちらもまとめて治っていくと思います。
Q3:
免疫療法はどのような位置づけで考えたらよいでしょうか。
A:
免疫療法は抗ガン剤と比較したら、効き目はないんですけど、副作用や害がないんで、医療機関とかで気持ちが安定するという力はありますね。だけど、本当に私の理論を知ったら免疫療法よりももっといいのは、自助努力ですね(笑)ですから、自助努力が一番で、免疫療法は真ん中で、抗ガン剤は害が多いというような感じで並べるといいと思います。
Q4:
低体温の話なんですが、体温はどのくらいが基準と考えられるのでしょうか。
A:
35.8度がちょうど境目みたいな感じですね。私は、昔は36.0度を指標にしてたんですけど、けっこうクレームが入るんですね。「自分は35.8度前後なんだけど、こうやって健康だよ」と。特にお年寄りは活動量が少なくなってますから35.8度前後で健康な人がけっこういますね。
Q5:
若い人の中で子宮頸ガンが増えてると聞きます。ワクチンができたというので、やろうかどうしようかと悩んでいますがどうでしょうか。
A:
みなさん、子宮頸ガンのヒトパピローマウイルスを恐れてるけどね、あれは20歳以上になると全員感染するウィルスでね、イボとかウオノメのウィルスなんだよね。だから、結局、免疫力で戦っていける。ところが、若い女性が薄着したりダイエットして冷えたりすると、そのウィルスと戦えなくなる。その戦いで敗北した結果が子宮頸ガンなんだよね。

増えてる増えてるという割には、グラフ見るとそんなでもないんですね。緩やかに増えていって、むしろ50代、60代の人達の子宮頸ガンは減少気味なんだよね。ですから、免疫力の低下した人が発ガンするという感覚を知らないと。本物(の病気)にかかった時に跳ね返す免疫力をつけておくというのが大切ですね。

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安保徹 新潟大学大学院医歯学総合研究科教授、医学博士。1947年青森県東津軽郡に生まれ、東北大学医学部卒業。1980年、アメリカ・アラバマ大学留学中に「ヒトNK細胞抗原CD57に関するモノクローナル抗体」を作製。1989年、胸腺外分化T細胞を発見。1996年、白血球の自律神経支配のメカニズムを解明。2000年、胃潰瘍の病因は胃酸ではなく顆粒球とする説を発表。現在は世界的な免疫学者として注目を集める一方、数々の著書を通して「病気を自分で治す」生き方、考え方を一般の人に広めている。主な著書に『「やめてみる」だけで病気は治せる (永岡書店)』『安保徹の図解雑学 病気にならない免疫のしくみ(ナツメ社)』など多数。

 
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