レギュラー番組/菅原明子の「エッジトーク」

●ゲストーイングリッシュモンスター・菊池健彦さん
≪今回、2週にわたってお送りするゲストは、菊池健彦さんです。菊池さんの著書「イング...≫


今回、2週にわたってお送りするゲストは、菊池健彦さんです。菊池さんの著書「イングリッシュモンスターの最強英語術」 (集英社)を中心にお話を伺いました。

菅原:大変ユニークな本です。聞いてびっくり、見てびっくり。この本は店頭でキラキラ輝いているんですよ。魅力的な本なので、手に取らざるを得ないような感じで迫ってきまして、「なんとTOEIC満点990点を24回も更新中の日本人がいるんだぜ。」みたいなそういう本なんですよね。しかも、写真が写っていましてね、口を開けてシャウトしてるようなおもしろいコミックな写真なんです。コミックな顔とタイトルがピッタリ一致してる。「絶対買わなくちゃ」と思って見つけて一瞬で買っちゃったんですね。すごい本ですねこれ。

菊池:ありがとうございます。その本がでた時点では24回連続満点だったんですが、今年の一回目も満点がとれたので、25回になってます。

菅原:満点をとらなくなったら大変ですね。

菊池:そうですね。かなりプレッシャーは抱えています(笑)

菅原:なにしろ、この満点をとった人が英語の好きな目から鼻に抜けるような人、外資系の会社に勤めてる人ではないところがすごいんですよ。

菊池:そうですね。それでないことは確かです(笑)

菅原:最初のページを見ると「人間のクズがひきこもり留学でTOEIC満点をとったぜ!みたいなことが書いてあるんですが、これはなんですか?

菊池:「人間のクズ」というのは今でも強烈に覚えていて、中学校の職員室で正座させられて、その先生は僕を宿題をわざとやってこない生徒だと思っているんですね。僕はきちんとやってるんですが、だらしないんでなくしちゃったり、忘れちゃったりするんで、結果、先生に提出できない。で、テストだけはそれなりに点数とれたんで、先生から見ると一番子憎たらしいタイプの生徒だったんで、人間のクズと言ってしまったでしょう。それが強烈に残ってましてね。

菅原:高校時代にご両親が引っ越されたのに青森に残って、風光明媚な自然に囲まれて青春を謳歌されてたんでしょ?

菊池:はい。

菅原:楽しい青春をしながら大して勉強もしないで大学に受かっちゃったんですよね。

菊池:ちゃんと勉強したのは、入試の前の1年くらい前からかな。1年、2年生の時は家ではほとんど勉強しませんでしたね。

菅原:地頭よしというところがあるんですよね。

菊池:だといいんですが(笑)

菅原:会社に入ってどんなお仕事をされてたんですか?

菊池:洋書店のセールスマンですね。基本的には大学の先生に売っていましたね。洋書を読むのは大学に勤めている人だけだったんで、もちろん2000円とか3000円とかの本は多いんですけど、それを使って、その時にできたコネを使って何百万とか何千万とかっていうコレクションを売り込むのが仕事だったんですね。

菅原:その仕事がどうも自分に合ってないと。営業成績が1/3しかノルマを達成できてなくて自らやめられたんですね。

菊池:そうですね。「ちょっと無理じゃないか?」とか上司なんかからは言われたりしましたけど、結論をだしたのは自分です。

菅原:34歳で仕事をやめて、そこからが不思議なんですけど、ひきこもり生活をはじめるっていうのはなんですか。珍しいですね(笑)

菊池:「目標はこれだからこれに向かって何かしよう!」というふうに前向きに生きたことは一回もないんですよ。ひきこもりみたいなマイナスなことに対しても、それに向かって「よしやろう!」と決めたわけじゃなくて、結果としてそうなってしまったという。

菅原:よその会社に入ろうと思わなかったんですか?

菊池:「1、2年は休憩しよう」って思ってたんですね。なので、1年目は本当に何もしませんでしたね。

菅原:ひきこもり生活をはじめられた場所はどこですか?

菊池:最後に勤めていたのが仙台だったので、仙台の町外れの家賃2万円のアパートでした。

菅原:何がユニークかって34歳だったら、「これから所帯を持つぞ」とか普通の人だったら考えるんだけど、そういうことは考えないで「1、2年休養すればいっか」みたいな気楽な感じでいたら、たまたま本屋さんで英語の本にめぐり合ったんですか?

菊池:最初は「笑っていいとも」の生放送を見るのが出来の悪い営業マン時代の夢だったんですね。二ヶ月くらいしたら、笑っていいともの生放送を見ても別に人は幸せになるわけではないということに気がついて(笑)「おはよう」とか「おやすみ」とかはその時点ではすでに誰とも言わなくなってたんですが、とにかく何もしないということがこれほどストレスのたまるものだったというのがまったく予測もしませんで、そこからある種のエスケープですよね。英語は。何もしないことの辛さから。

菅原:はじめはやさしい本を買われて、その次はいきなり、タイム、ニューズウィークにいくわけですよね。ここらへんの飛躍の仕方というのは、はっきり言ってある種普通の飛躍じゃないからどこかで知的好奇心旺盛とか、基礎力がどこかにあるという自信がなければそこにいかないと思うんですが、すごいですよね。

菊池:両方あると思います。ひとつには学生時代のことを35歳の時に考えてみると、「英語やロシア語がけっこうセンスがいい」と先生とか周りの学生からも一目置かれていましたんで、ちょっと難しいのでもいけるかなと。10年以上やってなかったけど。

菊池:もうひとつはタイムとかニューズウィークとかは日本の朝日とか読売とかと似てるっちゃ似てるんだけど、社会の構造とかが違って日本人なら誰でも朝日や読売を読めるけど、アメリカ人やイギリス人で辞書なしでタイムやニューズウィークをスラスラ読める人が比率としてはかなり低いと知らなかったんで、単語とか言い回しの難しさみたいなものはこれほどだということは夢にも思わなくてはじめたんですね。

菅原:一番難しいところから入ったわけですね。

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■菊池健彦(きくち・たけひこ)

1959年生。青森出身。大学卒業後、洋書店の営業マンとなるがノルマを達成できず34歳で退社、引きこもり生活に入る。ほどなく英語学習に目覚め寝食を忘れるほど没頭するが、引きこもり生活7年目にして貯金が底をつき上京して働くことを決意。初めて受けたTOEICで970点をマーク。以降満点の990点を24回記録する。海外渡航経験はない。趣味はリストウェイト、アンクルウェイトをつけてのウォーキング。ブログ:http://kikuchi.wondernotes.jp/